2021年9月に見つかった胆石と胆のう炎の治療で2021年11月、入院・手術で胆のうを摘出してもらいました。
正式な病名は胆石性胆嚢炎、手術名は腹腔鏡下胆嚢摘出術でした。
入院準備
へその掃除
腹腔鏡手術は臍(ヘソ)に穴を開けます。そのため臍の汚れを取っておく必要があり、入院の5日ほど前から臍にオリーブオイルなどを満たして5分放置、やさしく拭き取るのを毎日やります。
口腔ケア
手術は全身麻酔で行われます。全身麻酔時は気道に挿管され呼吸を管理されます。挿管するときに歯が抜けたり歯石が剥がれたりして肺に入ると大変な合併症になる恐れがあります。
入院が決まったら歯医者さんに行ってクリーニングしてもらっておきましょう。その時、全身麻酔で手術を受ける予定がある旨を伝えると良いと思います。
入院から退院までの流れ
7日間の入院でした。内訳は次のとおりです。
入院当日・手術前日(11月25日)
朝は普通の食事で、10時に入院しました。色々説明を受けている途中で錠剤の下剤、14時に別の種類の下剤、19時にグリセリン浣腸。お腹を空っぽにします。
昼食は流動食(葛湯と具のないスープ)、夕食は無しでした。
手術当日(11月26日)
血栓防止ストッキングを履いて手術用のガウンに着替えたら点滴が始まります。手術室までは自分で歩いて行き、手術台にも自分で上がります。
全身麻酔がかかったら自分の感覚では痛みもなく一瞬で手術が終わります。眠ったことすら気づかず、いきなり「終わりましたよー」と叩き起こされる感じです。実際には3時間ちょっと経過していたようです。ちなみに以前受けたキアリ奇形と脊髄空洞症の手術は7時間ほどだったので、およそ半分の時間で済みました。
術後はICUに入らずに済み、一般病棟へ運ばれました。それでも胸には心電図、左腕には酸素濃度計と点滴、右腕には自動の血圧計、両足には血栓防止のフットポンプ、股間には導尿カテーテルとオムツで身動きがとれません。
後でわかったことですが、私の場合長らく炎症を繰り返していたようで胆嚢と近隣の臓器が癒着しており、比較的難易度が高い手術になったようです。当初の説明では特に問題なければ腹腔鏡を入れる穴は1つで済むとのことでしたが終わってみたら臍の右上あたりにもう1つ傷がありました。
今回は時間が短かったこともあり喉の荒れは少なかったようで術後の喉の痛みやイガイガではそれほど苦しみませんでしたが、挿管の刺激で薄い痰(タン)が切れない状況が続きました。仰向けで寝ているし咳払いしただけでも傷や腹筋が痛んで自分で痰を出せないため、1度だけ吸引器で取ってもらいました。喉と鼻からやってもらいましたがこれもキツかったですね。自然と変な声が出てしまいました。
しばらくして寝返りをうって良いと言われましたが、動くと痛いし身体中に色々繋がっていて難しかったです。大きいオムツが背中までかかっていて暑いのと、少しでも痰を出しやすいように何度もチャレンジしてゴロゴロ向きを変えていました。眠ってしまえれば楽だったんでしょうが、フットポンプの刺激で起こされ続ける感じでとても眠れませんでした。これが手術当日の15時から翌朝6時まで15時間ほど続きました。全身麻酔は手術そのものよりこの時間帯が苦しいですね。文字にすると軽く思えますが不快で苦しい状況が時計も見えずに長時間続きます。
手術当日は終日絶飲食になります。
摘出した胆石の一部をおみやげにくれました。拾いきれない細かい胆石がまだまだ多数あったようです。
術後1日目(11月27日)
翌朝6時になり身体に繋がっていた機器が一気にすべて取り外されました。9時すぎの先生の回診でOKが出てからと思っていたのでこれはありがたかった。看護師さん付き添いで病棟内を少し歩いて問題ないことと血栓ができていないことを確認します。
おしぼりで身体を拭き着替えてさっぱりします。まだまだ痛くて力が入らないのでゆっくりではありますが一人で歩けます。水も自由に飲めます。流動食ですが食事も再開されます。開腹手術ではこうはいかず、もうしばらく不自由なんでしょうね。腹腔鏡手術の身体への負担が軽いというのはこういうところのことなんだなと実感しました。
術後2日目(11月28日)
食事が低脂肪全粥食になります。お粥とあっさりしたおかずですが流動食から一気にステップアップした感覚でうれしかったですね。
シャワー浴も可能になります。
術後3日目(11月29日)
食事が低脂肪米飯食になります。普通のご飯です。白飯の旨さを再認識しました。
この日から傷よりも胆嚢があったであろう位置あたりの痛みが気になり始めました。先生に申し出たところ、私の場合癒着があったため近隣の臓器を削り取るようにしたためある程度の痛みはあるだろう、心配ないので痛み止めを飲んで乗り越えようとのことでした。
術後4日目(11月30日)
ほぼ普通の速度で歩けるぐらいに回復しました。
傷の痛み、患部の痛み、腹筋の痛みは残っていますがかなり元気になりました。
退院日(12月1日)
いよいよ退院です。
栄養士さんから食生活と栄養指導がありました。要約すると脂質は1日30g、1食あたり10gを目安に摂るようにとのことでした。
入院治療費は保険適用後の自己負担額で20万円ほどでした。入院前に限度額適用認定証を取得していたので実際には10万円ほどで済みましたが、月をまたがなければもう少し安く済んだようです(後述)。
反省点
持っていった方が良かったもの
つまようじ、糸ようじ。もやしなど筋っぽいおかずも結構出ます。丁寧に歯磨きしても取れなくて苦労しました。
リップクリーム。乾燥で唇が荒れます。売店で買いました。
爪切り。1週間って思ったより爪が伸びます。
イヤホン。これは持っていったんですがスマホ付属品は接触不良、トゥルーワイヤレスは完全放電してしまっていて再起不能というミスをしました。持っていく機材は動作確認して行きましょう。
短期入院が月をまたいでしまった
限度額適用認定証により支払いが半分ほどで済みましたが、入院と退院の間に月をまたいでしまったため2万円ほど損してしまいました。
病院側の都合もあるし激痛など緊急を要する症状が出ている場合は難しいのですが、1ヶ月以内の入院であればできるだけ月をまたがないように調整すれば1ヶ月の限度額が適用されてお得です。
まとめ
胆嚢摘出が決まったことを知り合いに相談したとき「腹腔鏡なら1泊入院でしょう」なんて説もありましたがとんでもない。1週間でもお腹に力が入らず、退院日はまだ速歩きできないし車の運転を控えたほどです。
胆石は健康診断などで腹部エコー検査をしてもらえば見つかります。検査がオプションの場合でもなるべく追加して受けましょう。
胆嚢炎に発展したり石が胆管に転がり出なければ痛みはありませんが、私のように軽い炎症を繰り返していて近隣の臓器と癒着してしまっている場合いざ摘出となったときに痛い目を見ます。取るなら早めが良いと思いました。もちろんかかりつけ医とよく相談して決めてくださいね。
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