【どノーマル】NDロードスター ドリフトインプレッション【Sスペシャルパッケージ】

ロードスター ドリフトインプレッション

トヨタ86(ZN6前期)からNDロードスターに乗り換えて1年半を過ぎ、初めてロードスターの記事を書きます。書こう書こうと思い続けていたのですが、街乗りしている分には本当によくできていてチューニングする気も起こらず、ノーマルでのインプレッションはジャーナリストのみなさんがおっしゃる通りだから、これまで書くことがなかったんです。そして先日、茂原サーキットでドリフト走行会に参加してみたところ、良い点悪い点が見えてきたので記事を書く気になりました。

筆者は過去にS14シルビアやJZX90チェイサーで月1ほどの頻度で茂原サーキットを、週1でカートコースのみだったころの南千葉サーキットを走っており、派手ではないが1周つなげられるぐらいのレベルでした。かなりブランクありますが、それなりに乗れていた人のレビューだと思って読んでみてください。

目次

概要

インプレッション対象車両は2022年式のNDロードスターの幌車(ND5RC)でグレードはSスペシャルパッケージのMT。

以下、KPCやDSCなど機能の略称を使いますが、おそらくこの記事を読む方はすでにNDロードスターの購入を検討されているか既に乗っている方だと思いますので個別の説明は割愛します。わからない方はメーカーサイト等をご覧ください。

2023年後半に大幅改良が発表された俗に言うND2の直前、いわゆるND1の最後に990Sが追加されてKPCが搭載されたときのSスペシャルパッケージです。

Sスペシャルパッケージを選択した理由は、走りの面では990Sと悩みましたが、やはりLSDとリアスタビは普段乗りでも必須だと判断したからです。990SのブレンボとRaysホイールは魅力的でかなり悩みましたが、車重が軽いならブレンボはオーバースペックだと思ったのと、Raysはデザインが好みではありませんでした(スポーク多くて掃除も大変そう)。

LSDはもちろん機械式が一番良いのですが普段乗りではそこまで効く必要はありません。S14は機械式にしてましたが90チェイサーと86は純正トルセンでもじゅうぶんな効きで、普通にドリフトできてました。普段の使い勝手も良いしバキバキ音も出ない、メンテもほぼフリー。よって純正トルセンで良いと判断しました。

スタビについては、KPCでロールを抑えると言っているのにDSCをOFFにすると連動してKPCもOFFになってしまうという、サーキット派からすると謎仕様。グリップでもDSC切りますよね?よってスタビは必要と判断しました。

走り以外の面では、スマートキーをポケットから出さずにドアロックを操作できるアドバンストキーレスエントリーの有無。せっかくスマートキーなのにいちいちポケットから出すのは嫌。

ディスプレイオーディオであるマツコネの有無。ナビはスマホアプリを使うので不要ですが、Apple CarPlayやAndroid Audioで大きく表示したかったのと、音楽はBluetoothで飛ばして聴いているのでそれも欲しかったからです。社外のアクセサリーをガチャガチャ付けるのは嫌いなので。

あとはなんと言ってもシートヒーター。冬のオープンには必須だと思います。これは本当に付けてよかった。なぜかテレビとDVDプレーヤーとの抱き合わせで高かったけど。シートヒーターは夏以外かなり使うけど、テレビとDVDは1度も使ってない・・・。

逆にRSやNR-Aを選ばなかったのは、RSは豪華すぎ、NR-Aはスパルタンすぎというのが理由です。

前置きが長くなりましたが、以上のようなSスペシャルパッケージのノーマル車をサーキットに持ち込んでドリフトしたらどうなったか、いってみよー!

結論

まずは結論。かなり難しいです。これからドリフトに入門する初心者の方は別の定番車種にするか、ショップや上級者に相談して、ある程度ドリフト向けのセッティングを出してから始めた方が良いでしょう。

とはいえ、定常円旋回やサイドブレーキを使った低速ワンコーナーの練習ぐらいまでならノーマルでも可能です。ブレーキングや慣性ではテールを振り出せないと思いますし、少し滑ってもストロークの長い良く動く足が踏ん張ってしまい、止まってしまうと思います。これは一般道では非常に安全で良いことで、DSCをOFFにしていても滑らせることが難しいので、DSCがONならかなり安全と感じました。

朝の1本目に誤ってDSCを切らずに出走してしまいましたが、ブレーキングやフェイントではビクともしませんでした。ものすごく優秀です。

ロールが大きい分おつりも大きいです。これまで10台以上の車種を乗り換えてきましたが、過去最大級です。だいたいドリフト初心者がクラッシュする原因は、ドリフトを終わらせるときにカウンターを戻せず、おつりをもらってタコ踊りからの大スピンしながら壁やガードレールに一直線といった流れでしょう。

また、ロールするスピードはゆっくりなのに対し、戻るスピードは非常に早いです。クタ〜・・・ボヨン!って感じの動きになります。アクセルとステアリングを戻す連携操作がかなりシビアなので、振り返しがかなり難しく感じると思います。

装備・パーツごとのレビュー

それでは続きまして、装備やパーツごとにレビューします。

ボディ・車重

小ぶりなサイズは取り回しも見切りもよく、軽い車重で軽快に走ります。純正タイヤは良く食うのに減らないし、純正ブレーキもフェードする気配すらありません。

しかしドリフトしようとしたとき、軽さが仇になってしまいました。軽いから慣性が働かず、振りだそうとしても振り出せない。なんとか横向けたとしても、そのあと狙ったところまで届かないんです。

この軽さへの対策として重くするのは現実的ではないので、タイヤや足のセッティングでなんとか軽さを活かしつつも解決する方向で考える必要がありますね。

エンジン

1500cc130馬力のNAエンジンは車体の重量に対してじゅうぶんな性能があると感じました。実際、普段乗りでは持て余していますからね。

NAなので回転数を落としてしまったときターボ車のように吹け上がりを待つことはないだろうと想像していましたが、ここはそうではありませんでした。普段乗りではレスポンスが良くてまったく気にならないのですが、ドリフト状態に持ち込むための一発目のアクセルで回転が上がりません。パワーが足りない感じはしないので、電スロの開きが遅いのか、ストロークの長いリアサスが縮む時間待ちなのか、DSCを切っているのに何らかの制御が残っているのかはわかりませんが、いずれにしてもきっかけを作った直後、最初の空転とトラクションが遅れるのでイメージ通りにドリフトが始まりません。

車内

純正ステアリングは細身でグローブをはめた手にも馴染みますが、個人的にこれまでナルディの33φを長く使ってきたためかスポーツ走行には外径が大きく感じました。

普段乗りでホールド性は悪くないと感じていたシートは全く役に立ちませんでした。スポーツ走行するにあたり、一番最初に交換すべきはシートです。ストレート以外は常時両膝の外側で踏ん張り、ステアリングにしがみついて体制を維持することになります。両膝の外側はあざになって痛いし、まともにステアリング操作できません。シュルシュルハンドルすら難しいです。車内が狭いこともあり、身体が動いてヘルメットが周りにガツガツ当たります。シートベルトは純正の3点式でじゅうぶんですが、バケットシートは必須です。

タイヤ

純正タイヤのADVAN Sport V105は思ったよりハイグリップでした。これも車重の軽さや足回りの構造のおかげでハイグリップに感じただけかもしれませんが、少なくともネオバなどの超ハイグリップタイヤは不要ということが良くわかりました。

当日は外気温30℃オーバーの暑さで1日振り回しましたが、軽さと非力さのおかげで思った以上に減りませんでした。サイドブレーキも多用しましたがブロックが飛ぶまところまではいかず、ところどころ千切れたようになる程度のダメージです。

タイヤの消耗

上の画像が1ヒート12分を3本走ったあとのリアタイヤです。エアはあえて既定値のまま走りました。

ドリフトの練習に使うなら、サイズを落とすか、エアをパンパンに張るか、もっとローグリップの銘柄に変えるかした方が良さそうです。

替えのタイヤを積めないから減らないのは助かるね。

以前は3セット6本とか持って行ってたもんね。

ブレーキ、サイドブレーキ

ブレーキパッドは純正でよくある初期がガツンと効く感じではなく、奥で効くコントロール性が良いフィーリングです。これは普段乗りでも感じていた通りでした。まともにドリフトできなかったのでグリップ走行に近い踏み方もしていましたがペダルタッチも大きく変わらず、フェードしてくる感じもほとんどありませんでした。フルードもとりあえず純正で大丈夫なようです。

サイドブレーキのレバーの位置は絶品です。素晴らしく引きやすい。ただ、何度かレバーが戻らなかったことがあるのでスピンターンノブは付けておきたいところ。

サイドブレーキを使用してのドリフトですが、ロックはしっかりするので、そういう意味ではパッドは純正で問題ありません。問題はきっかけのために引いたサイドに対し、流れ出しのタイミングが遅れることです。これまた恐らくリアサスの縮み側ストロークが長すぎることが原因と考えています。その分早めに引けばと試したりもしましたが、それでは横荷重が足りず直線サイドのような形になってしまいます。ノーマル状態ではサイド進入は難しいです。

サスペンション

おまたせしました。世界中でヒラヒラ感が絶賛されているノーマルサスペンションについて。普段乗りは最高です。これが市販車なのかと思え、さらに言うと社外品に変えるのがもったいないと感じるほど素晴らしい出来です。しかしドリフトとなるとこれが仇となり非常に悩ましいことになりました。

タイヤが横に滑るときは、荷重によってまずサスペンションが縮みきり、ブッシュ類がよじれ、タイヤがたわみ、こらえきれなくなったところでやっと滑りはじめます。

NDロードスターの純正サスペンションは伸び側も縮み側も非常にたっぷりのストローク量をもっており、車体も非常に軽いので滑らせるために縮み切らせることが難しいのです。ブレーキで前荷重をかけながらハンドルをこじったり逆に振って大きくフェイントをかけたりしてもリアサスを縮み切らせることがなかなかできませんでした。ショックの縮み側の減衰力が強い感じもします。バネレートは低いはずなのに沈み込みが非常にゆっくりです。ぐにゃー・・・っとどこまでも沈んでいく感覚です。

これはまったく悪いことではなく、普段の乗り心地は最高だし、DSCを切った上で滑らせようとしても滑らないということはかなり安全であると言えます。

リアスタビありのSSPでこんな動きってことは、リアスタビなしのSや990Sはもっとロールするんだろうね。

でも、もしかしたらリアスタビなしなら縮み切ってくれるかもしれないね。

エンジンのところでも述べたとおり、ドリフト初期のアクセルで空転が始まらない原因のひとつに、この縮み側ストローク長すぎ問題があると考えています。縦に滑るときはアクセルでリアが沈み込み、リアサスが潰れてからトラクションがかかるイメージですからね。(ブレーキでフロントがロックして縦に滑るときも同じで、フロントサスが潰れてからタイヤがロックして滑りはじめます。)

アクセル全開で空転が始まるのを待っている間に、大きく縮んでいたサスペンションが戻ってしまいます。このスピードが早い。ショックの伸び側の減衰力が弱くてストロークスピードが早いと思われます。これがちょっと怖い動きに感じました。大きく沈んだところから勢いよくボヨンっ!と戻ってきて、大きな「おつり」をもらいます。

ヒラヒラ感の演出はこうして作られているんですね。大きくゆっくり沈み込んで、すばやく戻る。これがヒラヒラ感の正体でした。軽いボディに柔らかいバネ、ストローク量が大きく、縮み側の減衰力が強くて伸び側が弱いショックの組み合わせ。これによって低速で気持ちよく走れていたということでした。

じゃぁドリフトするにあたり対策としてどうすればいいかというと、動きが悪くストローク量が少ないサスキットに交換して、動きを制限するのが手っ取り早いと思われます。もったいない話ですね。これまで乗ってきた車では常にストローク不足に悩んできたのですが、ここへきてストローク量の多さに悩むことになるとは。

また、ロードスターにはリアのアームについているブッシュにトーコントロール機能があるようで、これによって荷重がかかったときにトーが粘る方向に動いて踏ん張ってしまっている可能性もあります。社外品でトーコンキャンセラーもありますので、試してみるのもありかもしれません。

特性は基本的にニュートラルステアです。自分の中の常識を覆されるほどに、ちょっとやそっとじゃ破綻しないほどニュートラルです。出そうと思ってもオーバーステアは出ない。アンダーは出なくもないけど、アンダーが出た状態でアクセルを踏み続けると前輪がゴロゴロとアンダー特有の音を出しながらもそれなりに曲がっていきます。これは非力ゆえの挙動なのか、制御が入っているのかまでは判断できませんでした。

LSD

純正のトルセンLSDは競技に使うのでなければじゅうぶん効きます。エンジョイしている範囲ではドリフト中に内輪が空転することもありませんし、スピンから復帰するときのアクセルターンもクルッと回れます。

まとめ

それでは最後に、今回書き出した問題が凝縮された動画をご覧ください。

2速レッドゾーンから3速に上げて全開、進入で大きくハンドルをこじり、流れないのでサイド使用、届かずスピン。復帰にアクセルターンした場面です。エンジンのパワー感やサスペンションの動き、LSDの効き具合がある程度見てとれるかと思います。

インフィールドでの1枚。ヘリポート手前です。ロール大きいですね・・・。ハンドルにしがみついてます。

大きなロール

NDロードスターでドリフトするには、まずシート、次に車高調、あとはお好みでってところですかね・・・。

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